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レオナルド・ダ・ヴィンチ展 [エンタテインメント]

11月から2月までナショナル・ギャラリーでレオナルド・ダ・ヴィンチ展が開催されるのに気づいたのが8月半ば。3ヶ月以上も前のことです。その時点で前売り券の状況を確認してみると既に11月の週末分が埋まりつつあったのでこれは大変と思い、先の予定が見えないながら空いていた11月27日のチケットを決め打ちでゲット。
9月頃にチケット取得を試みた同僚は随分先までいっぱいだったと言っていましたし、別の友人からは展覧会が始まったときにはもうどの日のチケットも買えなくなってたとも。
17.5ポンドと美術館タダが当たり前のロンドンでは異例の価格設定ですが、そこは何と言ってもレオナルド、手に入っただけでもありがたい。

そして今日、長らく予定表に入っていた展覧会にようやく行くことができました。

入り口はかなり混雑してましたが、時間を決めたチケット発売量が常識の範囲内で中は一つ一つの絵をじっくりみることができるレベル。

広告に使われていたのは『白貂を抱く貴婦人』。絵画は寡作で世界的に大人気のレオナルドですので、他はデッサンや別の画家の関連作品でも並べられてるのかと思っていたらなんと!他にもそれを見にいくためだけに旅行する価値があるような名作がゴロゴロしていて圧倒されました。

入ってすぐのところには『音楽家の肖像』 が飾られていました。
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これは今年ミラノのアンブロアジーナ美術館で見たもので、実は同じ日に見た『最後の晩餐』よりも印象に残った作品です。というのも『最後の晩餐』はあまりに有名過ぎて人数制限と時間制限がガチガチの上、近くに寄れないので、どうも絵を鑑賞するという感じではなかった一方、この『音楽家の肖像』は人気薄めの美術館の展示部屋で僕一人が気の済むまで静かにじっくりと味わうことができたからです。同じ年にまたこの絵に再会できるとは。

次に『婦人の肖像』。
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こちらはレオナルドの作品には珍しく、睨んだような表情の肖像画で、ちょっと怖くなってしまうほどの力強さを感じました。この作品、たしか去年ルーブルに行った時展示されてなかったんだよなぁ。

そして普段はポーランドのクラクフにあって生涯見る機会があるやなしやと思っていた『白貂を抱く女』。
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女性といい白貂といい、なんと繊細な美しさを湛えてることでしょう。呆然と見とれてしまいます。

隣りの部屋には『岩窟の聖母』、パリ版とロンドン版並んでの展示。
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これはスゴイ!去年ルーブルに行く直前にロンドン版を見て記憶に焼き付けて比べたつもりになってましたが、並べられて同じ点、違う点をあらためて一つ一つ確認しながら見ると一層感動が強まります。並列展示の試みは作品が完成してから500年にして初だそうです。往々にして落ち着いた解説になりがちなオーディオガイドも、ここでは「レオナルド自身もこれらが並べられるとは思ってもみなかったでしょう。」と誇らしげ。
『岩窟の聖母』はロンドン版の方が弟子の手による箇所が多かったり、後年書き足された部分があったりして一般的にパリ版の方が評価が高いです。僕は以前に両方見た結果、ロンドン版の方が明瞭で好きかなぁ、と思っていましたが、並べて見てみるとパリ版の深みにも虜になりました。

さらにこれまた行きにくそうなエルミタージュ美術館からは『リッタの聖母』が来ており、色使いの素晴らしさに息を飲みました。
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最後の目玉(何個あるんだって感じですが)は、長年行方不明になっていて今年発見された『サルバトール・ムンディ』。
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今回が一般には初お目見えで実に幻想的な作品でした。このニュースについてはこちら

他にもデッサンなど含めるとかなりのレオナルドづくし。よくもこれだけあちこちから作品を集めた展覧会が開催できたと感激するやら驚くやら。世界中どこであれ、僕が生きてる間にこのレベルのはもう開催されないんじゃないかとさえ思います。ナショナル・ギャラリーの底力を見ました。たまたまこの時期にロンドンに住んでいた幸運に感謝することしきりです。
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