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理想の靴べらを求めて [モノ]

靴はいまや趣味の一ジャンルとして確立された感があり、マニアのブログや掲示板での議論もかなりの分量にのぼります。手入れも活動範囲の一部として、クリームや磨き方についてもいろんなコメントが見られます。ところがどういうわけか靴べらについての意見を見かけることはほとんどありません。手元の靴関連の本を紐解いてもほとんどは「履くときには靴を痛めないように靴べらを使いましょう」という記述がある程度で、唯一『Handmade Shoes for Men』が靴べらについて独立した項目をほんの一ページ割いているのみです。

僕はこれまで5~6年前に渋谷の東急ハンズで買ったアビーホーンワークス製の牛の角でできた小さな靴べらを使って特に不満はなかったのですが、最近もう少し大きなサイズのものが欲しくなりました。というのも昨年買ったチャッカブーツを履く時に、これがアンラインドなため踵周りがフニャフニャ安定しないので、靴べらを中底まで差し込んで履きたいのですが、手持ちのだとブーツには短すぎる問題があったからです。

英語で"shoe horn"というように靴べらは角で作られていることが定義に則っているだけでなく、固さと滑りの良さが最適なので次も牛の角のものを探そう。ただこの滑りの良さはクセモノで、足入れには良いのですが持つのに滑っては困るので、握りやすい取手が付いたものが欲しい。

ネットでアビーホーンワークスのものを中心に牛の角の靴べらを探してみると、取手付きはほぼ無く、ごくわずかにあっても長すぎるものばかり。3~40センチある靴べらは立ちながら使うことを想定しているので、座敷のある居酒屋や訪問先でならいいのですが、家の玄関で履く場合下駄箱から靴を出したりシューツリーを抜くために一旦屈むので、その後また立ち上がって履いて再度屈んで靴紐を結ぶという不必要なアクションがいることになります。

僕の求める靴べらは果たしてどこにあるのか・・・。
ロンドンで売ってそうな店を探すことにしました。

候補はまずはやはり靴屋。世界第一級の靴屋が軒を並べるロンドンでは靴べらもそこそこ見つかります。

チャーチとニュー&リングウッドでは本体が金属で取手が革の、小さな折りたたみのものがありました。これは携帯用で、欲しいサイズではありません。

クロケット&ジョーンズ、フォスター&サン、ジョージ・クレバリーではアビーホーンワークスのものがいろんなサイズでありましたが、取手付きはありません。クロケットには、切り込みの入ったドアストッパーみたいな専用台が付いた長い木製のものも置いてありました。

ところで1月はどこもセールやってますが、ジョージ・クレバリーでビスポークサンプルの素晴らしい靴が安く売り出されてたりして非常に面白かったです。店員に話を聞いてるうちに、一足だけ僕のサイズのがあった、既製靴最強のオーラを放つアンソニー・クレバリーラインの逸品を倉庫から持ってきて半額だというので興奮してしまい、気づいたら靴箱とクレジットカードの明細が入った袋を持って立ってました。靴べらを見に来たはずのになんてオソロシイ!

閑話休題。
ジョンロブ(ロンドン)、ジョンロブ(パリ)、エドワード・グリーン、トリッカーズ、ロークでは靴べらは置いてなかったです。

靴屋の他にはグルーミング系の店も見てみることにしました。
髭剃りやブラシや石鹸など売ってるテイラー・オブ・オールドボンドストリートの入り口付近にいつも靴べらがぶら下がってた印象が残ってたからです。店に行ってみると今回の探索で最もたくさんの種類が置いてあり、サイズも理想的で取手付きのがズバリありました。が、しかし高い。メチャ高くて怯んでしまいました。

他も見てみよう。

トゥルーフィット&ヒル、DRハリスにはアビーのものがいくつかありましたが、取手付きは置いてません。ジオ・F・トランパーには長いのばかりで取手部分に犬とか指を曲げた手のひらの意匠を凝らしたものが置いてあり、手のひらのは孫の手みたいだと思っていたら、店員が「それ"back scratcher"だよ」と。ホントに孫の手でした。イギリスにもあるのか。家の中で靴を脱ぐ日本人からすると、背中がかゆい時に玄関まで孫の手を取りに行くのは変だよなぁ。

そしてマードック。ここで取手付きでサイズも欲しいのがあり、値段もテイラー・オブ・オールドボンドストリートとは比べ物にならない安さだったのでようやく購入に至りました。マードックのロゴが刻印されたアビーへの別注品で、本体は牛の角、取手は鹿の角。所有満足感は高いです。

やっと気に入るのが見つかりました。
これでもう靴べらについて考えなくていいや。

実に13件もの店を周ったのでさぞロンドン中を縦横無尽に駆け巡ったのかと思いきや、これらの店全てが半径たった200メートルの円の中に収まってます。こんなテーマで趣のある店を次々とはしごするのは、やっぱりロンドンで買い物する醍醐味だとあらためて思うのでした。
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Yes Minister [エンタテインメント]

日本では政治家も官僚も、さも悪い奴らばかりがその職に就いてるがごとき報道が散見されますが、それでは議会政治のお手本と言われるイギリスではどうかというと、多かれ少なかれ似たような問題を抱えてるわけで、となると個人の資質よりも制度上の欠陥と考えるほうが自然です。そうでなきゃ今頃イギリスは日本のはるか先を行くスバラシイ国になってなきゃおかしい。

ずっとそう考えてきましたが、実際今月トニー・ブレアが書いている日経「私の履歴書」に優秀だけど変革に抵抗する官僚組織や、政官の対立についても書かれてあって、やっぱりそうなのかと膝を打ちました。この連載、とても面白い。

折りしもちょうど政治家と官僚のバトルを面白おかしく描くコメディ"Yes Minister"のDVDを買ってをクリスマスシーズンから楽しんでたところです。

30年も前に製作されたのに今でも根強い人気があることを、イギリスの歴代コメディの特集記事で目にしたので買ったこのコメディ、初めてイギリスのドラマでハマりました。

舞台は1980年代のイギリス政界。所属政党が政権奪取をした際に元新聞記者の主人公ジムが大臣に任命されるシーンからスタートし、次官のハンフリーとの対立、ときにはもたれ合いを絶妙のタッチで面白おかしく描いています。

ジムは典型的な政治家。善人で一般人の感覚を持ちあわせてますが、世間受け、特に票になるかに気を取られがちで大衆迎合的な政策に飛びついてしまいます。

そしてこちらも官僚の典型として描かれるハンフリーは、平均11ヶ月で退任するという大臣など歯牙にも掛けず、長年の経験と弁論術を駆使して予算と権限の拡大、既得権益の防衛を目指してジムを操ろうとします。

ドラマのほとんどはこの2人、および2人の共通の部下で板挟みに苦労するバーナードの3人の会話で成り立ってます。その掛け合いのよくできてることと言ったらほんと感心するし笑えます。

イギリスの政治や社会の仕組みへの理解も深まりますし、たまに車のシーンがあると30年前の僕の家の近所が映ったりするのも興味を引きます。

英語の点では会話スピードが早く、ハンフリーはキャラの設定上長ったらしく高度で持って回った話し方をするので(ジムが「結局イエスなのノーなの?」とか「英語で言うと何なの?」と返すのがお決まり)字幕出してところどころ止めて辞書引いてやっとって感じですが、飽きずに繰り返し見られそうなので勉強にもなりそう。

政治コメディやイギリスに興味のある人や日本でもありそうな政治家と官僚の力学を見てみたい人に強くお勧めします。

Yes Minister: Complete Collection [DVD] [Import]

Yes Minister: Complete Collection [DVD] [Import]

  • 出版社/メーカー: BBC Warner
  • メディア: DVD


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ピカデリー、アクセントはどこに? [英語]

この時期になるとクリスマス会、忘年会の類があちこちで開催されるのは日本もイギリスも同じ。僕もいくつか参加する機会があり、その中のひとつ、日本人のみ参加の会でチーム対抗のクイズがありました。その問題に「ピカデリー(Piccadilly)」のアクセントの位置はどこか、というのがあり、正解はピカ「デ」リー。チーム内の反対を押しのけて僕が主張した「ピ」カデリーは間違い、となってしまいました。

僕が「ピ」カデリーを推したのは、ニュースでキャスターが第一音節にアクセントを置いてるのを何度も聞いたことがあったからです。日本人の直感、あるいは「梅田ピカデリー」もしくはガキ使の「ピカデリー梅田」からすると、ピ「カ」デリーになりそうなところ、へぇ、最初にアクセントがあるんだ、と思って記憶に残ってたのでした。

クイズは出題者が決めた答えを正とするしかないので、その場は不満を抱えながら引き下がり、家で色々と調べてみました。

すると確かに権威ある辞書ではクイズの答え通り、ピカ「デ」リーとするものばかり。ネット辞書でひとつだけ「ピ」カデリーとしているものと、もうひとつ、ピカ「デ」リーと「ピ」カデリーの併記、というものがありました。

うーむ。僕の認識は間違いではないものの、いつも見てるキャスターが例外的にマイナーアクセントを使ってるのかも。

その数日後、またニュースでいつものキャスターが
「「ピ」カデリー・サーカスから特派員がお届けします。」
とこれまで聞いたのと同じように発音するとその直後、現場の特派員までもが
「こちら「ピ」カデリー・サーカスです。」
と応じていて、やはりBBCの人は最初にアクセントを置くんだと再認識。
イギリス英語のお手本たるBBCのキャスター&特派員が二人して発するアクセントには敬意を払うより他あるまい。

さらにその数日後、もっと面白い事態に遭遇しました。
地下鉄に乗っていると、
「ピカ「デ」リー・ラインに乗り換える方は次の駅で・・・」
と車内放送が流れ、同じ日に乗った別の線では
「「ピ」カデリー・ラインに乗り換える方は次の駅で・・・」
となんと、同じロンドン地下鉄の車内放送でも両方あることが判明。

これをもって、正当性はさておき、一般的にはどっちでもOKなんだろう、と思うようになりました。

日本の地名でも例えば兵庫県の姫路は、当の姫路を含む関西ではフラットに(茸のシメジのごとく)「ひめじ」と言うけれど、関東の人は最初にアクセントを置いて「ひ」めじと言いますからね。

ちなみに、どこにアクセントを置くかはともかく'Piccadilly'は本来カタカナでは「ピカディリー」と表記されるべきで、それを「ピカデリー」と言うのは「ディズニーランド」を「デズニーランド」と言うのと同じなのですが、それはまた別の話。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ展 [エンタテインメント]

11月から2月までナショナル・ギャラリーでレオナルド・ダ・ヴィンチ展が開催されるのに気づいたのが8月半ば。3ヶ月以上も前のことです。その時点で前売り券の状況を確認してみると既に11月の週末分が埋まりつつあったのでこれは大変と思い、先の予定が見えないながら空いていた11月27日のチケットを決め打ちでゲット。
9月頃にチケット取得を試みた同僚は随分先までいっぱいだったと言っていましたし、別の友人からは展覧会が始まったときにはもうどの日のチケットも買えなくなってたとも。
17.5ポンドと美術館タダが当たり前のロンドンでは異例の価格設定ですが、そこは何と言ってもレオナルド、手に入っただけでもありがたい。

そして今日、長らく予定表に入っていた展覧会にようやく行くことができました。

入り口はかなり混雑してましたが、時間を決めたチケット発売量が常識の範囲内で中は一つ一つの絵をじっくりみることができるレベル。

広告に使われていたのは『白貂を抱く貴婦人』。絵画は寡作で世界的に大人気のレオナルドですので、他はデッサンや別の画家の関連作品でも並べられてるのかと思っていたらなんと!他にもそれを見にいくためだけに旅行する価値があるような名作がゴロゴロしていて圧倒されました。

入ってすぐのところには『音楽家の肖像』 が飾られていました。
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これは今年ミラノのアンブロアジーナ美術館で見たもので、実は同じ日に見た『最後の晩餐』よりも印象に残った作品です。というのも『最後の晩餐』はあまりに有名過ぎて人数制限と時間制限がガチガチの上、近くに寄れないので、どうも絵を鑑賞するという感じではなかった一方、この『音楽家の肖像』は人気薄めの美術館の展示部屋で僕一人が気の済むまで静かにじっくりと味わうことができたからです。同じ年にまたこの絵に再会できるとは。

次に『婦人の肖像』。
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こちらはレオナルドの作品には珍しく、睨んだような表情の肖像画で、ちょっと怖くなってしまうほどの力強さを感じました。この作品、たしか去年ルーブルに行った時展示されてなかったんだよなぁ。

そして普段はポーランドのクラクフにあって生涯見る機会があるやなしやと思っていた『白貂を抱く女』。
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女性といい白貂といい、なんと繊細な美しさを湛えてることでしょう。呆然と見とれてしまいます。

隣りの部屋には『岩窟の聖母』、パリ版とロンドン版並んでの展示。
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これはスゴイ!去年ルーブルに行く直前にロンドン版を見て記憶に焼き付けて比べたつもりになってましたが、並べられて同じ点、違う点をあらためて一つ一つ確認しながら見ると一層感動が強まります。並列展示の試みは作品が完成してから500年にして初だそうです。往々にして落ち着いた解説になりがちなオーディオガイドも、ここでは「レオナルド自身もこれらが並べられるとは思ってもみなかったでしょう。」と誇らしげ。
『岩窟の聖母』はロンドン版の方が弟子の手による箇所が多かったり、後年書き足された部分があったりして一般的にパリ版の方が評価が高いです。僕は以前に両方見た結果、ロンドン版の方が明瞭で好きかなぁ、と思っていましたが、並べて見てみるとパリ版の深みにも虜になりました。

さらにこれまた行きにくそうなエルミタージュ美術館からは『リッタの聖母』が来ており、色使いの素晴らしさに息を飲みました。
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最後の目玉(何個あるんだって感じですが)は、長年行方不明になっていて今年発見された『サルバトール・ムンディ』。
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今回が一般には初お目見えで実に幻想的な作品でした。このニュースについてはこちら

他にもデッサンなど含めるとかなりのレオナルドづくし。よくもこれだけあちこちから作品を集めた展覧会が開催できたと感激するやら驚くやら。世界中どこであれ、僕が生きてる間にこのレベルのはもう開催されないんじゃないかとさえ思います。ナショナル・ギャラリーの底力を見ました。たまたまこの時期にロンドンに住んでいた幸運に感謝することしきりです。
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iOS入門 [モノ]

長きにわたる検討を経て、iPod Touchを購入しました。
周囲にiPhoneユーザーがたくさんいて、iOSやアプリの話をしてるのにこれでついて行けます。

ハイテク製品は次々に新しいのが出て商品寿命が短いのでいつ何を買うかの判断には神経を使うんですよ。で、ようやく時が来たと。

前からずっと欲しかったところ、iOS5がリリースされて搭載されたiCouudがトリガーを引きました。
iPhoneにせずiPod Touchにしたのは、ロンドンには無料Wi-Fiが使える場所が多く、僕の生活では3G回線のメリットがあまり取れなさそうなのと、GPSと高性能カメラぐらいは妥協できると思ったから。世間ではiPhone 4Sが圧倒的に話題に登ってますが、iPod Touchの方が適してる人も多いんじゃなかろうか?

1年ぐらいの間、無料化されたり大幅値下げされたりしたアプリを貯めてきたのがようやく使えるのが嬉しい。本体買わずにアプリ買うなよ、と何人もに笑われましたが、そんなこたぁキニシナイ。

それにしてもiOSの洗練度はスゴイ!
数値で現れない使い勝手が素晴らしく、あぁこれが今ほぼ神格化されたに等しいスティーブ・ジョブズの真骨頂なのね、としきりに感心。様々な機能が説明書無しに直感的に使えるし、各種アプリを使えばPCでやってることのほとんどの置き換えが可能、いやそれどころかPCよりも快適に感じる機能も少なくありません。

一週間触りまくり、Tipsを探しまくりで一通り使えるようにはなったつもりだけど、まだまだ可能性がありそうなのでもっと使い倒していきます。

Apple iPod touch 32GB MC544J/A

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  • 出版社/メーカー: アップル
  • メディア: エレクトロニクス


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ボストン・ニューヨークで食事 [食]

ボストン、ニューヨークを旅行してみて一番驚いたのが食のレベルの高さ。
ボストンの海産物は有名だし、ニューヨークに住んだことある人何人かからは美味しいと聞いていたのである程度期待はしてたのですが、実際に食べてみるとそれを上回る美味しさ。

海原雄山とまではいかなくても日本人、なんとなくアメリカの食を低く見てませんか??
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食に関しては何かと悪名高いイギリスも、ロンドンはかなり美味しいレストランがたくさんありますが、ニューヨークは質もバラエティも凌駕してるという印象。少し旅行しただけでも圧倒されました。夜に一人で入って食べられそうなお店も多く羨ましい限り。

東京も世界的に見て質・量ともにかなりの水準だと思いますが、一番の強みは1,000円程度以下で食べられる場所の質と数でしょう。高級店は2万円を超えるような店も多く、すごく美味しい物を食べるにはかなりの出費を覚悟しなければいけません。

ロンドンは、行き当たりばったりで入ったり、旅行者がせっかくイギリスに来たんだからとイギリス料理ばかり選択するとエライ目に合うリスクが高いですが、どこの料理かにこだわらず慎重に探せば日本円換算で1万円以下で相当美味しいものが食べられます。

アメリカもイギリスも土着の食文化は大したことなくても、ニューヨークもロンドンも世界のお金持ちを惹きつける国際都市であるために、腕のよいシェフもまた世界中から集まるのは当然のこと。東京がこれから世界の中で相対的に貧しくなっていったらレストランの質も落ちてくると思います。美味しい物を食べるためにも都市の魅力を高めないといけませんね。

今回の旅行で食べたもので特に印象に残っているのは

寿司
ニューヨークで寿司?という気もしますが、ニューヨーク在住の知り合いの方に連れていっていただいたニューヨーク発の創作寿司で、単なるカリフォルニアロールとは全く異なるヒネリの効いたものでメチャ美味しかったです。
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ステーキ
ニューヨークってステーキが有名らしく名高いお店もいくつかある中で、これまたニューヨーク在住の友人に連れて行ってもらったところ。日本の霜降りステーキも好きですが、アメリカンスタイルの外はカリカリ、中は柔らかい赤味の味も格別です。12オンス(340グラム)をペロリと平らげてしまいました。
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チョッピーノ
ボストンで食べた海産物シチュー、チョッピーノも忘れられません。良い素材をスパイシーなスープで煮こんであって、中に入ってる固めに炊いたサフランライスもよくマッチしてました。
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ニューヨークで買い物 [モノ]

このところ休日に予定がぎっしり入り、ブログネタが増える一方書く時間があまりない状況に陥ってました。久々のエントリー。

ついこないだボストンとニューヨークに遊びに行ってきたので振り返ってみます。

今日はニューヨークの買い物編。

マジソン街にしても5番街にしても両サイドにお店が埋まってる大通りが延々と続いているのに圧倒されます。流石世界のニューヨーク!一つずつ見て行ったらきりがないので、アメリカらしいお店、それに日本やイギリスにないお店にだけ入ってみることにしました。

まずはおなじみラルフ・ローレン。もちろん東京にもロンドンにもありますが、やはりニューヨークの本店は楽しい。高級感溢れるパープルレーベルよりも断然カントリースタイルの商品の方がアメリカっぽさがあって興味を引きます。イギリスとは随分違う。ドレススタイルは世界的にどこもあまり代わり映えしない一方、カントリーって国ごとの特徴がぐっと出るように思います。

マジソン街を下りて行って、目当ての店、ダビデチェンチで買い物。小さいながら厳選された品揃えで僕好み。東京やロンドンにも出店してくれたら嬉しいのに。

お次は玩具のFAOシュワルツ。いくつになってもおもちゃ屋ってワクワクするんですよね。ジム・ヘンソンのマペットをたくさん見て「おぉ!アメリカ!」と思いましたが、お店の規模はロンドンのハムレーズの方が大きくて楽しいかも。

他にはナイキタウンも期待したほどは大きくなくて品揃えがイマイチ。

歩いてて偶然見つけたのが香港のシャツ屋アスコット・チャン。これも日本にもイギリスにもありません。オーダーはせず既製品を一枚買っただけですが、隣りでオーダーしてた人がデビッド・ジョン・アンダーソン(DJA)の分厚いバンチブックから生地を選んでいたので、僕も見せてほしいとお願い。DJAはカルロ・リーバと並ぶ最高級のシャツ生地メーカー。あれだけの数のDJA、初めて見ました。表紙に"Ascot Chang Exclusive"と書いてましたが、あの高価な生地を求める客層がそれなりの数でいるのはニューヨークならではでしょう。

じっくり売り場を観察したのはバーニーズニューヨーク。スーツもシャツもネクタイもブリオーニとキートンがトップに位置づけられてました。お金持ち相手の商売でこれもいいのでしょうが、スーツはそれらの価格帯なら十分ビスポークできるし、シャツやネクタイは専門メーカーのものをもっと並べてたら良かったのに。一つ特筆すべきはフェアファックスのシャツとネクタイがあったことでしょうか。

一方バーニーズのライバル(?)のバーグドーフグッドマンは各分野でそれぞれ良いものを取り揃えていていました。ヨーロッパに本店があるものばかりで結局何も買わず(買えず?)仕舞いでしたが、最高品質の実用品をきっちり抑えつつ、こんなの誰が買うんだ?的な奢侈品を適度に散らばらせていて客を飽きさせません。4,200ドルのカシミアガウンとか17,000ドルのビキューナジャケットとかがさり気なく吊るされていて、何度か値札を見て仰天。
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バーニーズニューヨークもバーグドーフグッドマンも、少し残念だったのは靴売り場が弱めだったこと。アメリカ人、靴に興味薄いんだろうなぁ。ニューヨークを見るまで結論を出すのを保留してましたが、そろそろ断言しても良いでしょう。伊勢丹メンズ館の靴売り場はダントツの世界一です。

デパートはサックス・フィフス・アベニューとメイシーズへ。前者は高級、後者は一般的な価格帯で、デパートらしいラインナップと売り方でした。メイシーズは木製のエスカレーターがあったり、ハートマンやグルカの鞄が売られたりしていて、古き良きアメリカを感じました。ハートマンもグルカも欲しい形がドンピシャであれば買っただろうに、あと一歩のところで理想型を外してて惜しかった。

デパートは他にブルーミングデールズにも行きたかったのですが、残念ながら時間切れ。買物をしたいというより、『フレンズ』のレイチェルや『ケインとアベル』のフロレンティナが働いてたりする店ってどんなんだろうと思ってただけなのですが。

ドルが安いので買いまくれるかと当初思ってましたが、アメリカは物価高かったです。10年以上前に旅行に来た時より随分とインフレが進んだようです。根拠なしに何となく、多くの日本人がドル円はキリの良い100円ぐらいが適正と考えてるんじゃないかと思いますが、円換算であと2割以上高かったら、アメリカでの買い物はかなり苦しい物になるはず。この感覚が掴めたのも、散財した副産物・・・と言えるのかなぁ。

それにしても流石は世界第一の国際都市、世界中から良いものが集まってて買い物好きには痺れます。
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英語の上達 [英語]

言語の学習って向き不向きがあって、僕は向いてないのでしょう。
ロンドンに2年も住んでこの程度の英語力かよって毎日泣きたくなります。

ただ、絶対水準は低くても来た頃の自分と比べると多少なりとも上達してるのも事実。読む、書く、聞く、話すの4技能のうちどれがどの程度伸びたか振り返ってみるとこんな感じです。
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多くの日本人と同じように4技能のうちでは、もともと「読む」が一番マシで、今でも一番まともに近い水準と思いますが、あまり伸びてはいません。単語力を増やすのが一番近道ですが、あとは意識して早く読む訓練をしたりしなきゃ。趣味関連の洋書を読み切れないぐらい買ってるので、楽しいネタがいくらでも手元にあるのが救いです。

「書く」のもさほど伸びておらず。メールを書くスピードが多少早くなったぐらいで、使える表現は幼稚なままなのがイタイ。4技能のうち訓練が一番難しいとも感じます。ネイティブが書く英語で、単語も構文もシンプルだけど、こりゃとても自分の頭からは出てこないなぁと思うことがよくあるので、そういう表現を如何に蓄えておくかが課題です。

「話す」は相対的には一番伸びた分野。会話中に「あー」とか「えー」とか詰まりながら考える時間は短くなったとは思います。それでも4技能のうちいまだ一番低いレベルなのがなんとも。「出たとこ勝負」なので、後から振り返ってとてつもない間違いをしてたのに気づいて恥ずかしくなったりしますね。話す力はネイティブよりも、簡単な単語を自在に組み合わせて繰り出す、よくしゃべるノンネイティブが当面のお手本です。

「聞く」も多少伸びたかなとは感じます。ただこれは言ってることが「ほとんど分かる」人と「ほとんど分からない」人の差が激しすぎます。ロンドン訛りとかスコットランド訛りとか、英語かどうかもよく分からないような時がいまだにあります。ネイティブ以外だとフランス人とインド人がクセの強い英語を話すと感じますが、訛りのあるネイティブに比べたらはるかに分かりやすい。リスニング能力はいろんな状況で死活問題になりうるので、一番伸ばしたい技能です。

こんな自分の英語力をネイティブ平均と比べたらこんなイメージ。
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一生かかって30%ぐらいまでが関の山でしょうな。悲しい現実に落ち込む反面、青天井でずっと上達の喜びを味わい続けられるというのもまたしかり。英語を身につけるのは楽しいので、ビシバシ鍛えていきたい。
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週末絵画三昧 [日記]

今週末は予定が重なって集中的に絵を楽しむことになりました。

まず金曜日はナショナルギャラリー。金曜日は夜9時まで開いていてかつ空いています。この時間に日本人の先生が解説してくれる講座があってたまに受講しており、今回はボッティチェリを中心としたルネサンス美術の会。作品そのものの解説に留まらず、時代背景や他の作品との関連性、果てはナショナルギャラリーの配置の意図まで説明してもらえるし、質問もしやすいので絵の理解にぐっと奥行きが出ます。目の前の本物を教材にしているのが何よりも贅沢なことです。

土曜日は水彩画の歴史についての一日講座に行ってみました。前から英語で何か学んでみたいと思っていたところ、現地の方に教えてもらった社会人向けのレクチャーの中に面白そうなのがあるのを発見。11人の参加者のほとんどがイギリス人の初老の方という中で、英語に苦労しながらも豊富なスライドに助けられ、たくさんの例を見ながら水彩画の歴史や技法を学びました。僕が絵を好きになった大きなきっかけは、学生時代のロンドン旅行で見たターナーの水彩画でしたので、そのロンドンでターナーを取り上げての講義を聴けるのは自分の興味の原点回帰のようにも思いました。

日曜日はダリッチ美術館へ。変な場所にあるし小さいのでよほど絵に興味のある人以外観光客は行かないと思いますが、レンブラントやムリーリョ、多数のプッサンなどコレクションは充実してます。とりわけ今月の企画で飾られていたアングルの『ドーソンヴィル夫人』に感動。ルーブル美術館で見たアングルの代表作『グランドオダリスク』よりも魅力的に感じました。

西洋絵画へのアクセスの容易さは僕にとってロンドンに住んでる最大のメリット。こればっかりは日本にいる限りいくらお金を出しても堪能することができず、今いるうちに思いっきり満喫しておきたいです。
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夏目漱石記念館 [日記]

僕が今のところ唯一、いつか全集を読みたいと思ってる日本文学の巨匠は夏目漱石です。川端康成みたいな、ある種外国から見て分かりやすい日本の繊細さではなくて、漱石の場合日本人しか分からなさそうな「あぁこういう感覚あるなぁ。」と共感が感じられます。

西洋に対する思いも、福沢諭吉のような屈託の無い「追いつけ追い越せ、イケイケドンドン」ではなく、このまま進んで行っていいのか?という迷いが僕には何となくフィットします。漱石の時代も現代でも、日本はよりグローバル化するしか食ってく道が無いのは明らかな一方で、人によって心理的に超えなきゃ行けない一線を持ってるか持ってないかの違いがあって、思い切りの良さのある無しが「一万円札に描かれた福沢諭吉」と「千円札に留まった夏目漱石」の差の気がします(笑)。

そんな漱石を語る上で欠かせないのがイギリス留学。ワンズワースにあるロンドン最後の下宿先の正面に夏目漱石記念館があるので行ってみました。年間100日しか開けてないので行けるときに行っておこうと。

実際に住んでた場所にはブループラークが掲げられ、
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その向かいが記念館。
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「~館」という名前に違和感があるぐらいフツーの住宅街のフツーのアパートです。しかしロンドンらしいのがここいらの建物が軒並み100年以上前に建てられており、1901年から1902年と、今からちょうど100年前に漱石が住んでた当時のままの姿を今でも留めています。

中はどうってことのない、ちょっと本や写真が並べられてるだけの代物でしたが、100年前に文豪がこの景色を見て何を考えていたんだろうと思いを巡らせました。
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