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ミラノで買い物したりしなかったり [モノ]

イースターの4連休を利用してミラノとベネチアに行ってきました。これでイタリア旅行は3度目、計5都市を訪れました。どの街もカラーが違っていていつも新鮮な楽しみが味わえます。

ミラノは何と言ってもショッピングの街。ロンドンやパリもそれぞれの買い物の楽しさがたくさんありますが、ミラノの独特の地位は他に代えがたいものがあります。ローマに比べて随分ハイソな印象を受けました。

僕はもちろん大興奮でいろいろ買いましたが、振り返ってみると何も買わなかったお店の方が印象に残ってます。

まず、Gロレンツィ。高級ショッピング通りとして名高いモンテナポレオーネ通りにあるこの店は「究極の道具屋」ではなかろうか。予めこの通りの訪問予定リストに入れてましたが、ここまで素晴らしいお店だとは想定しておらず、大げさでなく感動してしまいました。

弓矢の形をした金の糸切りばさみ、白蝶貝の巻尺、大胆に大きな木の枝を柄に利用したナイフ、などなど。何に使うのか想像も付かない道具類も多数売られてました。素材といいデザインといい、これ程までこだわり抜いた品々を並べるお店を他に知りません。

僕が実用的に使えて、手が出る値段、かつ飛行機内に持ち込める物、を探しても残念ながら見つからず何も買わなかったのですが、実に楽しいお店でした。おおよそモノに興味のある人なら一度は必ず行くべきだと保証しますし、そうでなくてもミラノ一押しのスポットであることは間違いありません。

店内の方が驚く品揃えでしたが、ウィンドウで雰囲気の一端を。
右下は「キャビア専用」のお皿。中央はシガーカッターでしょうか。
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丸い刃のナイフは究極のピザカッター。用途がよく分からない道具もいくつか見えますね。
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続いてはシニスカルキ。イタリアに行くたびにシャツをオーダーしてるので今回もと思い、マニア垂涎のシャツ屋、シニスカルキを訪ねてみました。ナポリのアンナ・マトゥオッツォ同様ここも看板やショーウィンドウなど一切出しておらず、アパートの一室がお店兼工房になってます。一階の郵便受けで部屋番号だけは分かってもどのフロアにあるか書かれておらずエレベーターで一階ずつ降りて確かめなきゃなりませんでした。

チャイムを押してドアを開けもらうと、女性(後でシニスカルキ氏の奥さんと判明)が現れ、イタリア語ができない客が来たと分かると引っ込んで今度はアレッサンドロ・シニスカルキ氏が出てきました。アレッサンドロさんは英語が話せます。

シャツを作りたい旨を伝えても、「うちは一から型紙を作って2回仮縫いをするから今日だけじゃ無理なんだ。」と断わられてしまいました。残念に思い店を出ようとすると、ちょっと待ちなさいと奥へ招いてくれます。

言われるがままノコノコ付いて行き、作業場や事務所などそこまで見せてくれていいの?と恐縮してしまう場所まで快く案内してくれ、椅子に座るよう勧められたのは台所。休憩を取っていた針子のオバチャンたち5人ほどが仕事に戻る最中だったようで、お皿を片付けたりカップを洗ったり。アレッサンドロさんが、「まぁゆっくりしていきなさい」と客にならない僕に何とケーキとコーヒーを出してくれました。2時半ぐらいで丁度歩き疲れてた折り、有り難い申し出を受けることに。

ケーキを頬張る僕にアレッサンドロさんが自身の作るシャツについて教えてくれます。シャツの値段にたいがい麻痺してる僕もぶっ飛ぶ値段でしたが(ローマのミコッチなら3枚作ってもお釣りが来る!)、他のシャツ屋にはない顧客管理が興味を引きました。

壁一面にびっしりと名前の書かれた箱が収められており、その一つを取り出して見せてくれると中にはシャツの替え衿と替え袖が入ってます。客が作った生地で替えを作って保管しており、襟や袖が汚れたり擦り切れたりすると交換してくれるとのことです。

ミコッチで作ってもらった時に、完成したシャツと一緒に替え衿と替え袖も送ってくれて感心しましたが、シニスカルキはさらに上を行き、客に替えを取っておく手間をかけさせないようです。そんなの自分で取っておくから少し安くしてよと思ってしまう僕は元々ここの客には成りえないのかもしれません。

日本人の客は10人いるとのこと。その10人がどうやってここの客になったのか気になるなぁ。ミラノ在住者なのだろうか、それとも何度もミラノ出張や旅行に来る方なのだろうか。僕は11人目になり損ねてしまいましたが、得難い体験ができたと思います。
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そしてジャンニ・カンパーニャ。
ハナから買うつもりがおこらないほどの高級スーツのお店ですが、ディスプレイを見て写真撮るためだけにわざわざ出向いた甲斐がありました。ここのショーウィンドウはオーラ出まくり。

サヴィルロウやその周辺は散歩でしょっちゅう行っているので、ヘンリー・プールやハンツマン、アンダーソン&シェパードといった英国スーツを代表するお店のディスプレイのかっこ良さはかなり頭に染み込ませましたし(買えてないのがなんですが・・・)、他にもパリのチフォネリやナポリのアットリーニも流石と唸りましたが、ジャンニ・カンパーニャのショーウィンドウはそれらを上回る迫力がありました。

これはカッコ良すぎる・・・。

と同時に、こんなの普通の日本人が着こなせるわけもなく、仮に買えても着れないじゃん、という諦めも感じたり。

ところで、ここは「ジャンニ・カンパーニャ」ネームと「ドメニコ・カラチェニ」ネームを両方扱ってるようです。既製服と注文服で区別してるのかな?どなたかご存知でしたら教えてください。
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そんなわけで流石ミラノ。素晴らしいお店に感嘆のため息が出っぱなしなのでありました。
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奈良 美則

初めまして。
私はメンズシャツ業界に携わる者です。
シニカルスキのことは初めて知りました。
来年4月にミラノへ行きます。
その時に勉強のためシニカルスキのシャツをオーダーしたいと考えています。
宜しければ住所、連絡先を教えて頂けないでしょうか。
宜しくお願い致します。
by 奈良 美則 (2016-10-10 20:48) 

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